サウンズ・オブ・シスターフッド

2022年国際女性デー

人間の声ほど影響力のある音はありません。

声を出すという点は多くの人に共通することですが、私たち一人ひとりの身体や心は異なっているため、発せられる声は一度限りの奇跡の現象です。そして、この比類ない要素‐心、身体、声‐から、さらに特別なこと、つまり互いに刺激し合う機会が生まれます。

イソップは2022年の国際女性デーに向けて、「シスターフッド(女性連帯)の強さ」をテーマに、性自認が女性の方々に自分の声を録音するよう呼びかけました。その目的は、世代や地域を超えた女性たちの多彩なストーリー、感銘を受けたこと、アイデアを集め、それらを1つの作品、つまりシスターフッドについて思いを巡らせるメドレーを作成することです。

集まった声はロンドンを拠点とする放送作家兼DJの ザキア・スーウェル(Zakia Sewell)によってアンサンブル作品にまとめられました。彼女は、BBC Radio 3&4、Tate、Resident Advisor、Boiler Roomでラジオドキュメンタリーを制作発表しているほか、NTS Breakfast Showのホストも務めています。生の声の沈思が万華鏡のように広がる作品 - 全編はこちらでお聞きいただけます - は、女性の声を集めた真のコラージュと言えるでしょう。国際女性デーに聴くべき、そしてそこから学ぶべきアートです。

このページでは、作品の中から5つの音源を、音と文章でご紹介します。世界中から集まった5人の女性 - デニース、スザーン、セレナ、シャティーナ、ヤスエ - が、真実、結束、年齢を尊重すること、自分に影響を与えた女性たちのこと、未来への希望を持って自身と他者を気にかけることについて語っています。

結束

女性であることを一つのメッセージにまとめることは不可能です。それでもそのメッセージが、女性であることについてのシンプルかつ深遠な真実を伝えることはあります。それは、女性が人々をつなぐ存在であるいうことです。

「サウンズ・オブ・シスターフッド」にメッセージを寄せたデニースは、シスターフッドという概念について、それが全人類の基礎的な部分であると話します。

すべての人間の基礎的な部分としての、女性の連帯について語っています。

「私たちがより良い人間になれるのは、愛、平等、多様性、知恵、そして平和がテーマ音楽になるときです。女性間の連帯が単なる音ではなく、人生の音楽の一部であるとき、私たちは皆、より良くなれるのです。この人生というダンスでは、私たちの魂が私たちの身体と心を先導します。シスターフッドとは、単なる女性間のつながり以上のものです。それは人類の基礎的な要素なのです。私たち全員が私たちとして存在するためのものであり、お互いの違いを称え合いながらも、共通の性質に着目することで、私たちはより良くなることができます。女性としての私たちの責務は、私たちがより良い人間になることが出来る未来にひらめきを与え、それを育てることです」

年齢を称える

女性同士の真に円熟したつながりは、同じ考えを持つことと同じくらい、それぞれの違いを受け入れることです。

スザーンは自身の声を使って、様々なライフステージで得た知見を振り返り、年齢の異なる女性たちが協力した時にもたらされる、大きな社会的利益について訴えかけます。

女性が年齢を重ねること、そして年齢を重ねた女性が自分らしくいること、それらに対する認識は十分ではありません。年配の女性と若い女性が一緒になることで生まれる結束は、非常に強力なものになりえます。

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人生は女性から始まる

全人類は、ある一つの本質的な事実でつながっています:私たちの存在があるのは女性のおかげである、ということです。 この作品集に寄せたメッセージでセレナは、母性から受ける感銘を共有しています。 「私は世界中のすべての母親に敬意を表します。その無条件の愛や犠牲、いたわりによって、私たちは健康で幸せな人生を最大限に楽しむことができるのです。そしてその影響力のもとで、私たちは彼女たちから得た愛という贈り物を育み、他の人と共有することができます。つまり、この世界の偉人たちの背後には、いつも偉大な女性、つまり母親の存在があるのです。

真の表現を祝福する

「感じよく振る舞うことにこだわるよりも、利他主義、勤勉さ、コミュニティに価値を見出す女性たちへ。私たちはあなたたちのことを見ていますし、聞いていますし、称えています」 シスターフッドに関するシャティーナの考えは、勇気、心、サポートネットワークを使って、受け入れがたい現状に挑戦する女性たちに向けられています。

「感じよく振る舞うことにこだわるよりも、利他主義、勤勉さ、コミュニティに価値を見出す女性たちへ。私たちはあなたたちのことを見ていますし、聞いていますし、称えています。厳しい真実が常に慰めに勝りますように。なぜなら、不快な状況の中でこそ、私たちは強さを見出すことができるからです」

将来を楽観する

強さには非常に様々な形があります。自分が信じていることについて声を上げることはその一つです。そしてそれに耳を傾けることも、です。 どちらも文字通りに口を動かしたり、耳を使ったりする必要はありません。例えば気づいたり、変化を起こしたり、何らかの行動が取られてほしいという願いと結びつく形で、無数の方法を取ることができます。そもそもその願いを表現したいと思うことは、私たちの中にある貴重なもの、つまりそれを達成することは可能だろうという楽観的な感覚が、無意識のうちに内在しているということです。

ヤスエは、この楽観主義を、自分を活気づけてくれる力だと話します。そしてそれは、女性から女性へ受け渡していけるものであるとも言います。

「力強い熱心なまなざしで人生を歩む女性たちと出会うたびに、自分の将来にワクワクします。女性が輝ける時代に生きられてとても嬉しいです。そしてそう感じさせてくれる女性たちのような存在になりたいです」

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