しっかりと保湿された肌とは、まるで名演奏家の熟練技のように、見事なバリア機能を発揮できる肌のことを指します。
大事なのは調和です。水分と油分のバランスを維持することで、優れた器官である肌は最大限にその役割を発揮します。
肌の適切な保湿方法を知るために、保湿がスキンケアに欠かせない理由、３つの肌タイプの特徴、おすすめの保湿製品とその使用法についてご紹介します。
肌の適切な保湿方法
研究室からの学び
保湿がスキンケアに欠かせない理由
私たちの体の大部分を占める水分は、体内に含まれるものであると同時に外からの補給が必要な存在です。頻繁に消費される体内の水分量を保つために適切な水分補給が欠かせないのと同様に、肌にもたっぷりの保湿が欠かせません。
肌の表面からは水分が蒸散する経表皮損失というプロセスにより私たちは絶えず水分を失っています。そのため、失われた水分を積極的に補給し、肌の最適な水分状態を維持する必要があるのです。
肌の構造を知る
肌は体重の約15％に及ぶ人体最大の器官であり、身体の内側と外界とを隔てる重要な役割を果たしています。とりわけ、十分な睡眠や栄養価の高い食事、丁寧なスキンケアによって支えられているときには、肌は自らの機能を維持しながら身体の機能の一部を助ける、という素晴らしい能力を持っています。
肌は大別すると3つの層で構成されています。表皮（一番外側にある薄い層）、真皮（強くて高い柔軟性のある結合組織、皮脂腺、汗腺から構成される層）、そして皮下組織（表皮と真皮を支える、脂肪細胞を含む厚い層）です。基本的にスキンケアに関係するのは、肌の再生と保護を行う表皮です。そしてその表皮そのものも5層から構成され、最も外側の層が強靭なバリア機能を果たしています。
皮膚の一番外側の層は「角質層」と呼ばれ、「角質細胞」という扁平細胞で構成されています。この細胞の周りには、脂質を豊富に含む基質があります。角質層を「レンガの壁」とするなら、角質細胞は「レンガ」、脂質が豊富に含まれる部分はこれらを繋ぐ「漆喰」だと考えることができるでしょう。この構造により、角質層は優れたバリア機能を果たしています。
ここに毎日のスキンケアを通してうるおいと栄養を届け、たっぷり保湿をすることで、肌本来の持つ素晴らしい働きを発揮することができるのです。
肌に影響を及ぼすさまざまな要因
肌は、私たちの体で外界と直接接している部分であり、周囲の環境と私たちとを隔てる境界の役割を果たしています。肌に影響を及ぼす環境要因として、紫外線、気候、大気環境、季節の変化などが挙げられます。
ここに、肌タイプ、食生活、生活習慣などの要因が加わるため、肌にはより念入りなスキンケアが欠かせないのです。
十分な休息、栄養価の高い食品、こまめな水分補給など、日常的な行動によって、肌の内側から栄養とうるおいを保つことができます。さらに、肌タイプや環境に合わせたスキンケアをすることで、肌の外側からうるおいを支えることが大切です。
理想の保湿ケアのために、まずは自身の肌タイプを知ることから始めましょう。「脱水」と「乾燥」は一般的に同じ状態を指す言葉として使われていますが、実は私たちの肌においては、はっきりと異なる意味を持っています。
乾燥肌、脱水肌、オイリー肌の特徴
乾燥肌の特徴とエモリエント成分
洗顔後のかさつきや「つっぱり」感がある場合、皮脂腺から分泌される皮脂が不足している可能性があります。乾燥は肌のバリア機能を低下させるため、肌の水分が失われやすく、敏感肌の原因になることもあります。
ここで乾燥肌の保湿ケアにおすすめのエモリエント成分が活躍します。この脂質が豊富に含まれる物質が、皮膚の一番外側の層である「角質層」の脂質を繋ぐ「漆喰」のように働き、肌全体の保湿レベルの維持を支えます。
エモリエント成分を豊富に含む保湿剤は、乾燥しがちな肌をやわらかくし、なめらかでしなやかな肌へと導きます。
イソップでは、乾燥肌に適した保湿製品を豊富に取り揃えています。
軽いつけ心地がお好みの方には、オイルベースのファビュラス フェイス オイルがおすすめです。パセリ フェイシャル ハイドレーティング クリームやカメリア フェイシャル ハイドレーティング クリームは、肌を心地よく落ち着けます。いずれも肌をすこやかにする植物エキスが贅沢に配合され、やわらかく伸びの良いテクスチャーとマットな仕上がりが特徴です。
みずみずしい仕上がりがお好みの場合は、脂肪酸を配合したプリム フェイシャル ハイドレーティング クリームがおすすめです。セージの葉やローズマリーの葉を配合したハーバルな香りが特徴で、普通肌から乾燥肌、また冬季や涼しい気候に適しています。
乾燥肌の方は、毎日のお好みのハイドレーターに加え、高い保湿効果のあるフェイシャルトリートメントを時々使用するとよいでしょう。パセリ フェイシャル トリートメントは、軽い使い心地ながら、深いうるおいを与える9種類の美容成分が配合されています。
週に3回ほど、洗顔後にトナーで整えた肌にマッサージするように優しくなじませてください。
脱水肌の特徴と保湿ケア
「乾燥」と「脱水」は一般的に同じ状態を指す言葉として使われていますが、実は私たちの肌においては、はっきりと異なる意味を持っています。肌の乾燥は油分が足りないことを示し、脱水は水分やうるおいが足りないことを示しています。脱水の状態になると、肌はくすみがちになります。脱水肌に悩む人は睡眠や水分の摂取に特に気を配り、保湿成分剤を豊富に含むハイドレーターを積極的に使用してください。
肌表面に水分を引き寄せ、結合させ、取り込む分子である保湿剤は、脱水肌にとってまさに救世主です。保湿剤がもたらすうるおいにより、肌のバリア機能が強化され、水分の保持機能も高まります。多くのイソップ製品には、保湿特性を持つパンテノール、グリセリン、カラギーナンNaなどの成分が配合されています。
脱水肌に悩む人におすすめの保湿ケア製品は、ルーセント フェイシャル エッセンスです。高品質かつ高濃度の植物由来成分やビタミンなどが配合され、高いうるおい効果が期待できます。ほのかなローズの香りと軽くのびのよい使い心地で、肌を落ち着かせながら水分バランスを整えます。そのままでも、保湿クリームを重ねても効果的です。
特にくすみが気になるときは、サブライム リプレニッシング ハイドレーション ナイト マスクとの併用がおすすめです。
パンテノールを配合したパセリ フェイシャル ハイドレーターは、すばやくなじむうるおい豊かな製品で、肌をすこやかに保ち保護します。
ブルーカモミール フェイシャル ハイドレーティング マスクは週に1～2回使用することで、脱水肌にみずみずしいうるおいを届ける集中トリートメントです。
オイリー肌の特徴と保湿ケア
オイリー肌には保湿は必要ないと考えがちですが、実はオイリー肌こそ保湿ケアがとても大切です。 肌の油分が多くなる主な原因は、皮脂の過剰な生成です。遺伝やホルモン分泌、環境、気候（高温多湿の環境は、過剰な皮脂生成を容赦なく悪化させる原因となります）などの影響で引き起こされます。
オイリー肌を改善する鍵は「バランスを保つこと」です。最適な水分バランスを保つには、過剰な油分を優しく取り除き、肌に負担をかけない軽めの保湿を行うことが大切です。肌を引き締め、清潔にする保湿製品の使用がおすすめです。
収れん作用のあるアロエベラをベースとしたライトウエイト フェイシャル ハイドレーティング セラムは、オイリー肌、コンビネーション肌、ブレミッシュ肌（トラブルの目立つ肌）、そして気温や湿度の高い気候に適しています。
ウッディでハーバルな香りが特徴のトゥーマインズ フェイシャルハイドレーターは、コンビネーション肌の様々な悩みに適しており、優しく肌をうるおいで満たします。
また、高品質かつ高濃度の植物由来成分やビタミンなどが配合されたB トリプル C フェイシャル バランシング ジェルは、肌タイプを問わず、うるおいに満ちた活力ある肌へと導きます。
最適な保湿スキンケア製品の選び方
ご自身にあったスキンケア製品を決める際は、肌タイプ特有の悩みだけでなく、日々の生活環境に適した保湿ケア製品を選ぶことが重要です。
また、テクスチャーや使い心地などの好みを考えて選ぶことも大切です。とろみの少ないセラムやトリートメント、軽い使い心地のローションがお好みの方もいれば、ジェルや濃厚なクリーム、オイルがお好みの方もいるでしょう。
そこで、イソップのスキンケア診断をご活用ください。全製品のなかからご自身にあったスキンケア製品をご提案します。
保湿： スキンケアの終楽章
何かをうまくやり遂げたとき、心はこの上ない満足感で満たされるものです。最適な保湿製品で締めくくるスキンケアも同様です。まさに解放感と安心感、そして喜びの瞬間です。
保湿ケア製品の使用方法
毎日のスキンケアでは、顔だけでなく首、胸元にかけてのデコルテ部分まで行いましょう。これらの部位は、顔と同様の環境にさらされることが多く、入念なお手入れが必要です。
スキンケアが進んで終盤を迎えると、いよいよハイドレーターの出番です。主役の貫禄と力を存分に発揮してもらいましょう。遠慮している場合ではありません。どうかたっぷりと。
保湿製品を手に取ったら、まずは香り、色、テクスチャーを味わってください。そして、製品ラベルの説明に従い、顔、首筋、胸元に塗布していきましょう。優しくマッサージするように、あるいはそっと圧をかけながら、または優雅に指を滑らせながらなじませます。肌をしっとりうるおす歌声に耳を傾けてください。
Bravo!
感覚を堪能する
洗顔、整肌、保湿の単純な日々のスキンケア、そして週2回の角質ケアやトリートメントは、肌の状態に合わせ、大切な肌を労わる喜びに浸りながら心を込めて行います。そうすることで、スキンケアの効果を最大限に引き出すことができるのです。一つ一つのステップをじっくりと味わいましょう。
