オランダの実験的グルメ集団・シュタインバイザーとのコラボレーションにより、独創的な3種のフレグランス(「アザートピアス」)に着想を得た、ユニークな3種のレシピを考案しました。それぞれの料理が、各フレグランスとそこから想起される光景を表現しています。 「ミラセッティ」は海藻が絡みついた古びた船体を、「カースト」は岩場の潮だまりや海岸線の切り立つ崖に垣間見える生命を、「エレミア」は忘れ去られた荒廃の地の断片をイメージしています。 大胆で一風変わったこれらのレシピは、同名のフレグランスにふさわしい、複雑で五感が喜ぶ食事体験をを提供します。どうぞお楽しみください。
アザートピアスの世界を表現する3種のレシピ
何年もの間、海を漂っていた船を想起させる一品です。ウィスキー、樽で熟成されたバルサミコ酢、火を通したシナモンなどの食材が荒削りで、年月を経て古びた手作りの雰囲気を表現します。
その仕上がりは、根菜とグレープシードオイルによって表現された樹脂やペンキ、そして海藻に覆われた、使い込まれてはいるが丈夫な木製のプランクを想起させます。
材料
春夏の場合:スイスチャード 200g(入手できないときは、春キャベツかほうれん草) 秋冬の場合:黒キャベツまたはレッドケール 海藻ダルス 50g (シーフードマーケットやオンラインで入手可能) クレマ・ディ・バルサミコ 40g マスタード 5g 海塩 2g 粉末シナモン 2g 水 20mL ウィスキーまたはスコッチウィスキー 10mL グレープシードオイル 40mL オリーブオイル 20mL 塩漬けケッパー 20g スピルリナパウダー (シーフードマーケット、薬局または健康食品店にて販売)
ダルスを水に2時間漬けておきます。沸騰したお湯にくぐらせ、柔らかくなったら氷水で冷やし、ふきんで水気を拭き取ります。塩少々をふりかけます。 スイスチャードを洗って茎の固い部分は取り、大きめの葉は半分に切ります。 ボウルで、クレマ・ディ・バルサミコ、マスタード、塩、シナモン、水、ウィスキーを泡立てます。ゆっくり徐々にグレープシードオイルとオリーブオイルを加え、とろみがつくまで かき混ぜます。 ケッパーの水分を切ります。適量の油を160°Cに熱し、ケッパーの水分が完全になくなるまで揚げたら、ペーパータオルの上で油をきります。 チャード用の鍋を準備します。形が崩れない程度に、柔らかくなるまで軽く蒸します。 フライパンに油少々を入れて高温で熱し、ダルスを素早く炒めます。外側がカリッとしたら火から降ろします。 先ほどかき混ぜたオイルミックスをお皿かボウルの中心に注ぎます。調理したばかりのチャードとダルスを混ぜ、塩少々で味付けしたのち、オイルミックスの上に盛り付けます。最後にスピルリナをふりかけ、揚げたケッパーを散らします。
このレシピは、海岸の岩場に生きる微かな生命から着想を得ました。。ジュニパー、ペッパー、レモン、オイスターリーフ、そしてサリコニアの大胆でミネラルにあふれた材料を、塩味のきいた泡で和えることで、海に着いた瞬間に感じる潮の香を表現しています。くらげや海藻のように揺れるアロエベラのスライスが、心地よい食感を作り出します。
材料
春夏の場合、ホワイトアスパラガスまたはグリーンアスパラガス 500g 秋冬の場合、サルシフィ(西洋ごぼう)またはパルミット(缶詰あるいは新鮮なもの)500g アロエベラ 500mg 砂糖 750g 水 500mL リンゴ酢 10mL シーソルト 2g 砂糖 2g フレッシュローズマリー 3g オリーブオイル 30mL 水 50mL ホワイトビーンズ缶詰のアクアファバ(漬け汁)100g 塩 4g シーアスパラガス、アグレッティ、またはオイスターリーフ 50g ジュニパー1枝(細かく切ったもの) ブラックペッパー 一つまみ
アロエベラを洗います。葉の両側を切り落としたアロエベラを8㎝の大きさに切り、洗ってぬめりを取り除きます。アロエベラを拭いて、ナイフで外側の膜を取り除き、厚み1㎝の縦切りにします。再度きれいな水で洗い流し、必要に応じて水を取り替えて洗い、ぬめりを完全に取り除きます。およそ150mLのアロエベラジェルが出来上がります。 砂糖、リンゴ酢、水を火にかけて沸騰させたら、火から下ろします。アロエベラを加え、再度火にかけます。ふつふつと沸騰させたら、強火で10分間煮詰めます。その後冷蔵庫で冷やします。 春夏の野菜を使う場合は、アスパラガスの皮をむきます(グリーンアスパラの場合、下半分の皮をむきます)。縦半分に切り、塩と砂糖を軽くまぶします。 秋冬の野菜を使う場合は、サルシフィの皮をむき、酸性の水につけ酸化しないようにします。(パルミットを使用する場合は不要。)サルシフィを縦に半分に切ります。パルミットの場合は1cmの厚さに切ります。 ローズマリーの葉とオリーブオイルをすり鉢ですり、混ぜ合わせてローズマリーオイルを作ります。ペースト状になるまで、葉をよくすりつぶします。これを目の細かいふるいに入れ、こします。 水、アクアファバ、塩を計量カップで入れ、スティックミキサーで高速に混ぜ合わせます。液体の表面でミキサーをわずかに上下させ泡状にします。1分ほど休ませ、一番上の泡をスプーンですくいます。 シーアスパラガス、アグレッティ、またはオイスターリーフを洗います。 アスパラガスを使う場合は、約4分、または好みの食感になるまで蒸します。サルシフィかパルミットを使う場合は、約8分蒸します。最後に、アロエベラを加えてこれらを温めます。 サルシフィ、パルミット、アスパラガス、アロエをプレートに並べ、混ぜ合わせたジュニパーとブラックペッパーで味付けします。シーアスパラガス、アグレッティ、またはオイスターリーフを上にかぶせ、レモン汁とローズマリーオイルをたらします。最後にスプーン一杯のアクアファバで作った泡で仕上げます。必要であれば、盛り付けの直前にもう一度スティックミキサーにかけ、細かい泡にしておきます。
灼熱の青空の下で内陸を進み、かつて文明が繫栄した名残や、忘れ去られた場所を過ぎた先に、オアシスを発見する。これが3つ目のレシピの着想源となったストーリーです。香しく夏らしいマイクログリーンと花々の下には湧き出す泉(レモングラニータとバジルオイル)が隠れており、その様子はまるで砂漠の蜃気楼のようです。
材料
レモン 1個、200g 砂糖 100g フレッシュバジル5g オリーブオイル 30mL 熟していないまたは色づいていないイチゴ250g (またはハニーメロンかガラメロン500g) しょうが汁 抹茶パウダー 海塩 エディブルフラワーとワイルドハーブ
レモンを洗い、薄くスライスし、種を取り除きます。テフロン鍋またはフライパンにいれ、レモンが被るくらいの水を入れ、沸騰させます。やわらかくなるまで茹で、必要に応じて水を足します。砂糖を加えて溶かし、さらに10分煮ます。火から下ろして冷まします。およそ500mL のレモン煮ができます。これを平らな容器に入れ、冷凍庫に30–40分、または凍るまで入れます。 バジルの葉とオイルをすり鉢ですり合わせて、バジルオイルを作ります。葉をよくすりつぶしてペースト状にします。目の細かいふるいで、オイルをこします。 イチゴを半分にカットします。(メロンを使う場合は、皮をむいて種を出し、2cm角に切ります。) フルーツを盛り付け用のお皿またはボウルに入れ、バジルオイルとしょうが汁で味付けします。抹茶パウダーをふりかけ、レモングラニータで覆います。エディブルフラワーとワイルドハーブで飾り付けします。