薄暗い部屋のなか、瞑想の小休止によってもたらされる静寂と安らぎに満ちた空間に漂うのは、フローラル、スパイシー、ほのかなグリーンの香りです。この豊かなアロマは、人々を引きつける魅力をたたえながら、場の空気をしずめる役割も果たしています。 カーテンが引かれ、空間に光が満ちると、丹念に織り上げられた壁掛け、そびえ立つような本棚、そして椅子、テーブル、長椅子に掛けられた色褪せたタペストリーが姿を現します。ここでは、いつもの調子で目まぐるしく動き続ける外の世界とは対照的に、時間は押し流されて消えてしまうかのようです。 窓際にあるクッションが積まれたデイベッドは、夕陽に照らされて赤く輝き、物言わず誘いの手を差し伸べます。これをすぐに受け入れ、やわらかに使い古された布地に沈みこみ、息をつきます。 この静けさを通して浮かび上がるのは、空想の世界です。
イソップのフレグランスにおける新章:グローム オードパルファム
内奥の世界への旅路
アザートピアス シリーズ第5作目のフレグランス
海から海岸へ、そして自らの最も内なる場所への旅を表現するアザートピアス コレクションは、現実と想像の世界両方に存在する場所を舞台とする叙事詩であり、人間の自然との複雑な関係性を問う物語です。ひとつひとつの香りは、長年のフレグランスづくりのパートナーであるバーナベ・フィリオンとの共同創造によって生まれ、無数の世界に内包される小世界、予測のできない魅力的な物語の一章を構成しています。これらはすべて、常識にとらわれないことを尊び、どこまでも興味をそそることを追求する人に捧げるフレグランスです。 アザートピアスは、海から始まり、ミラセッティで架空の船を想起させ、カーストで海岸線へと渡り歩き、エレミアで植物が生い茂った荒地の絡まりを通り抜けると、イーディシスの魅惑的な鏡の中で人間の姿を見いだします。そしてここから、人間の物語は新たな次元に突入します。グローム オードパルファムでは、ディヴァンの上で白昼夢を見るような静寂の中で見出される、自らの内に広がる空間を探求します。 華やかさ、温かさと立体感のある香りが印象的なグロームは、アザートピアス コレクションを絶え間なく広がる内奥の情景へいざない、そこで身を委ねるという、空想の特異な体験への案内役をつとめています。
空想の奥深くへ
白昼夢が深まるとき。 視界はゆらめき、脈打ち、そして消えていきます。こうしたゆらぎのなかで、次第に、花粉のようなミモザの香りと、リッチで温かみのあるアイリスとサフランの香りの襞があたりを漂いはじめ、ベールのように層になって包みこみます。 無数の場所のあわいにある、この人々を魅了する神秘的な場所から感じられるのは、親密さです。