金沢駅の東口にどっしりとたたずむ木組みの鼓門。神社の鳥居を再解釈した、モダンながらも歴史を感じさせる巨大な建造物です。古いものと新しいものが融合する姿は、時代とともに近代化が進む都市景観のなか、今も変わらず日本の伝統建築が現存する金沢の町そのものです。金沢駅に隣接するショッピングセンターの1階、開けた空間の中に位置するイソップ 金沢フォーラスは、その新旧が交差する金沢の町をイメージして設計されました。マルソリエ・ヴィラコルタ(Marsollier Villacorta LLC)とのパートナーシップにより作られたこの店舗はこの町で生まれた名高い建築家、谷口吉郎氏の設計理念にも敬意を表しています。 具体的な着想は、谷口氏の設計による東京のホテルオークラから得ています。構造的で整然とした要素と緩やかなカーブが組み合わされており、その曲線はさながらしなやかで柔軟な身体を思わせます。店内で多く使用されている荒仕上げの木材は、なめらかな光沢を放つ漆とは実に対照的です。デモンストレーションで使用するシンクの湾曲も直線的な店内で際立ち、艶やかなシンクが生み出すゆがんだ反射が、整った空間に軽やかな揺らぎをもたらしています。
店内には日本では初めての美しいフレグランス アルモワール(フレグランス専用戸棚)があり、好奇心旺盛なお客様を深遠な嗅覚の旅へと誘います。球形のペンダントライトが優しく照らす香りの小部屋には、イソップの全フレグランスが陳列され、お好みの製品をお召し物に付けてお試しいただけます。 木製のカウンターや陳列棚、支柱には細かな装飾が施され、周囲の喧騒を遮るように黄褐色の壁が空間を区切ります。丸いベンチはウール製で、国内産の自然素材が使用されています。